数日前の午後8時半ごろ、地元の福岡県筑後地方で竜巻が発生した模様とのニュースが流れました。また夜半過ぎには、実家がある久留米市の広域で避難勧告が出たので、ちょっと気になっていってみました。竜巻が起こったとされる場所は、実家からほど近い場所だったので、ちょっと見に行ってみようと思い、夜中車を走らせたのですが・・・。どうもダウンバーストが起こったような痕跡でした。

 

 飛行機に乗られる方は、ダウンバーストという言葉を聞いたことがあるかもしれません。要するに、急激な下降気流のことで、あたたかい空気が地表付近にあり、上空に冷気がたまった状態で、冷たい空気の方が重いので、一気に逆転する現象をいいます。つまり上から下に吹く強風です。

 北関東でよくこの現象が発生しているようですが、九州で・・・。とも思いましたが、ここ1週間、発生の条件はそろっていました。

 ①秋雨前線が九州北部に停滞していたこと。

 ②南から台風が接近しており、あたたかく湿った風が前線めがけて吹いていたこと。

 ③それにより、前線が活発化し、積乱雲が異常に発達していたことです。

 

 このような条件の場合は、平地を中心にダウンバースト現象が発生します。よく竜巻の強さを示す指標として「藤田スケール」というものがあります。急激なものだと、竜巻ほどではありませんが、F1、F2といったかなり激しい雹や落雷を伴う激しい風に見舞われます。

 

 この現象の特徴は、地表付近が晴れていて、ある高度を境にでっかいどす黒い雲(積乱雲)が発生している時に起こります。晴れているところはあたたかい空気のエリア。積乱雲の部分は冷気で飽和蒸気圧に達し、雲になっているところです。その境界線がくっきりしていると危険です。と、ながながと書きましたが、気を付けるといっても夜間は見えません。上記の条件がそろっている時は、事前に頑丈な建物に避難するなどの対策が必要です。